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カンボジアという国の経済及びフィンテックの将来 (Part 3)
2017年05月09日

4. カンボジア金融機関の現状

FinScope Consumer Surveyによると、多くの正規および非正規の金融機関があるにもかかわらず、カンボジア人口のわずか17%しか銀行を利用していません。

正規非正規を問わず金融システムを利用しておらず、人口の3分の1以上の人々が未登録金融業者から借り入れていることから、この調査においては29%の人々は金融システムの蚊帳の外になっています。これはFinTech企業によって金融の主流に銀行を利用しない人たちが流入することで、カンボジアがすぐにでも経済成長の道を進む可能性が大きいことを示しています。

一方、送金サービス以外の「フィンテック」もカンボジアに現れ始めています。カンボジアで始まったロシア系のオンラインサービスは、借り手と貸し手をネットでつなぐPeer to Peer型のレンディング・プラットフォーム(P2Pレンディング)です。

2009年にオーストラリア・ニュージーランド銀行が開始した「WING」サービスは、携帯電話番号を個人認証に用いて送金や支払いを行うもので、個人間の送金以外にも、携帯電話料金、公共料金の支払も可能であり、カンボジアの人々の利便性向上に大きく貢献することになりました。

プノンペンポスト紙によると、融資の対象は22歳以上でIDカードを持っており、月給200ドル~300ドルの中間所得層を想定し、一回当たりの融資金額は30ドル~100ドル程度となっています。サービス開始の2ヶ月間で50万人以上がサイトを訪れ、4,000件の融資申込がありました。米国やロシア、中国といった国々でようやく普及し始めたP2Pレンディングが、後進国カンボジアでも既に利用され始めています。

FinTechは、既成ルールの枠や縛りにとらわれることなく進化、拡大しています。WINGはカンボジア最大手送金サービスの成功として世界で評価され、更なる成長のための主軸として、世界各国の金融機関や送金サービス事業者との提携による国際送金サービスへ進出しようとしています。

WING構想の第一弾として2016年、WINGと韓国の送金サービス事業者GmoneyTrans社との事業提携が発表されました。韓国に出稼ぎしているカンボジア人からの本国送金の取扱いが狙いのようです。

カンボジアのもう一つ魅力は、機能通貨が実質的に米ドルベースであることです。カンボジアでは、「リエル」という独自通貨があるにもかかわらず、実際の経済取引においては、リエルではなく米ドルが広汎に使用され、経済が、事実上、「ドル化」しています。それは、国の独自通貨リエルが十分に信用されておらず、また外貨の保有・為替・オフショア借入などに関する規制もほとんどないからです。

いまだ銀行決済の80%以上が米ドルによるもの言われ、どんな地方の小型店でも米ドルが使え、短期滞在の外国人による米ドル銀行口座も容易に開設することができます。

結論

いまだ発展途上国であるカンボジアにおいて、インターネットを通じた金融系サービスが広がりを見せ始めています。国民の誰もが信頼する既存システムが確立していない新興国だからこそ、信頼面での不安はありますが、新たなサービスの受け入れやすいという側面もあります。

より斬新な仕組みやサービスが先進国に先駆けて、カンボジアで普及または一般化する、という流れが今後も多く見られるかも知れません。

参考文献

https://www.nbc.org.kh/download_files/publication/others_eng/NoteMD117-14_article_dollarization.pdf

https://yostartups.com/the-state-of-fin-tech-in-cambodia/

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